2019年3月3日 日曜日

旅行代理店の事業承継でお困りではないですか?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

事業承継の問題は、多くの中小企業の経営者が頭を抱えています。旅行代理店業界も例外ではありません。
加えて近年では、旅行者自身が気軽にインターネットで格安の旅行プランを比較できる事が当たり前になっており、旅行代理店業界の競争は年々激しさを増しています。
事業承継で悩む旅行代理店の経営者自身も、可能なら事業を存続させた上で、社員にとって最良の道を選択したいはずです。
そんな苦しい現状の打開策としてM&Aが注目されています。
今回は旅行代理店の事業承継とM&Aにスポットライトを当てて詳しくご紹介したいと思います。

 

旅行代理店を事業承継しよう


旅行代理店のM&Aを用いた事業承継について詳しく考える前に、まずは旅行代理店業界の現状と具体的な事業承継の方法について解説したいと思います。

 

旅行代理店業界の現状

まず旅行代理店業界の現状について詳しく分析したいと思います。
ここでは3つの切り口に分けてそれぞれ解説します。

 

①コミッションの減少
旅行代理店の主軸となる収入源と言えば、コミッションが挙げられます。
コミッションとはつまり手数料の事で、旅行代理店が販売を斡旋した航空券や宿泊施設、さらには各種旅先でのサービスにそれぞれコミッションが発生します。
このコミッションを柱とした旅行代理店のビジネスですが、少し陰りが見え始めています。
原因としては、コミッションを支払っていた航空会社やホテル、旅館などの経営が難航し始めたためです。現状のコミッションの支払額を見直そうという動きも出てきています。
旅行代理店としては、コミッションに頼るビジネスモデルから脱却して、新たな収入源を確保していかなければなりません

 

②旅行のセルフプランニングの主流化
旅行の計画をしたい考えた場合、みなさんはどんな行動を取りますか。
とりあえずインターネットで情報収集をすると考える方が多いのではないでしょうか。
スマートフォンもごく当たり前な世の中なので、気が向いた時にどこでも簡単に必要な情報の入手が可能です。しかも、ホテルの予約から航空券の確保まで、手軽に行えてしまいますよね。
このようにインターネットと旅行の親和性は大変高いです。
旅行者にとっては利便性が高まっているといえますが、旅行代理店としてインターネットの存在は脅威でもあります。
一昔前であれば旅行のプランであれば一括して旅行のプロである旅行代理店に任せていたケースが多かったはずです。
旅行代理店は旅行者の動向の変化に合わせて、現状にフィットした戦略を考えなければなりません。

 

③オンライン旅行会社の増加
インターネットを活用しようと考えるのは旅行者に限った話ではありません。
旅行代理店も同様で、実店舗を持たずにオンラインにて旅行代理店のサービスを提供する会社も多数登場しています。
実際に旅行代理店の窓口にはいかずに、旅の予約を完了した経験のある方も増えているのではないでしょうか。
インターネットを活用して旅行代理店業務を行えれば、人件費などの無駄なコストをカットでき、その分を価格に反映できるため、メリットも大きいです。
少しインターネットで探せば格安を売りにした旅行プランも多数目につきますが、各種旅行サービスの価格競争はますます激しくなっています。
旅行代理店業界としては、生き残りをかけた競争は厳しくなっていると言えます。

 

【旅行代理店業界の現状まとめ】
上記3つの要因もあり、旅行代理店業界は大手企業などの資本がある会社ほどM&Aなどの選択肢も豊富なため、競争に勝ち残りやすい構図が出来ているのではないでしょうか。
一方で中小の旅行代理店は生き残りが難しい現状があります。
加えて少子高齢化の影響もあり、高齢化している経営者が事業をどう承継していくかという問題も深刻です。
大手企業と中小の旅行代理店で状況は2極化していると言えます。

 

事業承継とは

続いて、事業承継について分かりやすく解説します。
事業承継とは簡単に言うと、会社を誰かに引き継ぐ事を指します。
誰に会社を引き継ぐかによって、事業承継は以下の3つの方法に分類できます。

 

①親族内承継
事業承継と聞いて真っ先に思い浮かぶのが親族内承継ではないでしょうか。
親族内承継は、会社の経営者のお子様やご兄弟など、親族内に会社を承継する事を指します。会社を継がせるならば、身内で理解も愛着もある者にお願いしたい。そのようにまずは考える経営者は多いはずです。
この親族内承継の大きなメリットとしては、早期の段階から次期経営者候補の親族の方に教育を行える点です。
経営者になるという事は、大きな責任もありますし、何よりも覚える事や行う業務の幅も広いです。これらの多岐にわたる項目、基本的な業務の流れや会社を運営する上での心構えなどを丁寧に伝授できます。
綿密に準備した上で経営の承継を行えるので、実際にはスムーズに引継ぎを完了できるケースが多いです。
また身内への承継だと、周囲から反感を買いにくいというプラスの側面もあります。

 

②社内承継
身内ではなく社員に会社を承継するのが、社内承継です。社内でも成績が安定して優秀な社員や役員が選出される事が多いです。
この社内承継のメリットですが、新たに教育にあまり時間をかけなくても良い点が挙げられます。
社内の人物で事業承継しても良いと思える人物であれば、会社の文化や経営方針に対して既に理解がある場合が多いです。更に経営者自身は持っていない+αの視点を持っている事も少なくありません。
ただ注意点としては、企業の買取が必要になるので、それなりの資金が必要になる事です。
そのため、場合によっては後継者候補の社員に事業承継を断られてしまうケースもあります。

 

③M&A(外部への承継)
身内にも社内にも事業承継を考えられる人物が居ない。そんな際の選択肢として考えられるのがM&Aです。
これから詳しくご紹介いたしますが、M&Aによる事業承継とはつまり外部の企業に会社を承継する事を指します。
経営者自身もそうですが、事業の承継は会社に勤める多数の社員にとって大変重大な問題です。最良の選択をして、安定した経営を継続したいと誰もが願うはずです。そんな中でM&Aという選択肢を事業承継に加える事は、会社の可能性がぐっと広がります。
旅行代理店業界においてもM&Aを選択する企業は増えており、事業承継においても注目されている手段と言えます。

 

後継者がいない、そんなときは


これから会社をどう継続していけばいいのかと悩まれている旅行代理店の経営者の方も少なくないと思います。
上述していますが、そんな際に考えて頂きたいのはM&Aによる事業承継です。
M&Aと聞くと少し悪いイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、近年では会社の経営を前向きに考える健全な手段として定着しつつあります。
ここではそんなM&Aの基本と、事業承継にM&Aが用いられる背景について迫っていきたいと思います。

 

M&Aとは

M&Aとは「Mergers & Acquisitions」を略した言葉で、直訳すると「合併と買収」という意味です。
つまりM&Aをするということは、企業同士が合併したり、企業を買収する事を指します。
まず先に以下に一覧でM&Aの分類を記載します。
・合併:新設合併、吸収合併
・買収:事業譲渡、株式所得
・分割:新設分割、吸収分割
・資本提携:資本参加、相互保有
・業務提携:技術提携、生産提携、販売提携
上に行くほど、企業同士の結びつきが強いM&Aと言えます。
またM&Aの広義の意味には「業務提携」も含まれており、複数の会社が共通した目的のために協力する事もM&Aの一つの形です。

M&Aが行われる主な理由は、端的に言ってしまうと「事業の拡大・縮小のため」です。
事業承継で事業を買いたいという買い手側の企業の狙いは、事業のさらなる発展です。
買い手側と売り手側の双方の企業が納得のもとに適切にM&Aが行われれば、M&Aは両社に大きなメリットをもたらします。
M&Aへの解釈が温和になり、その種類も豊富になった影響もあり、M&Aの利用はますます活発になっています。

 

事業承継にM&Aが用いられる背景

旅行代理店業界の現状でも述べましたが、各種旅行商品の価格競争は激しくなっており、資本力の小さい旅行代理店は生き残りが厳しくなっています。
加えて少子高齢化の影響もあり、高齢を迎えた多くの中小の旅行代理店の経営者は事業承継に頭を悩ませています。
事業に理解のある後継者を親族内でスムーズに見つけられれば良いのですが、実際にはそううまくいかないケースが多いです。健康面にも問題を抱えている場合ならば、なおさら早急な決断が必要とされるため、時間をかけて近しい者から後継者を探すのは現実的ではなくなってきます。

しかし、M&Aを活用すればこれらの問題の解決が可能です。
全国の「企業を買いたい」と考えている経営者から、自社にマッチする会社を選定できるので、事業承継の候補者がいないと悩む必要はありませんし、その他にもM&Aには後述する様々なメリットがあります。
このような背景から近年では旅行代理店の事業承継にM&Aが数多く用いられています。

 

M&Aによる事業承継を選ぶメリット


では実際にM&Aによる事業承継を選択した場合のメリットは何があるのでしょうか。ここでは様々なメリットが考えられる中から、特に重要な3つのポイントを選出しました。M&Aによる旅行代理店の事業承継を考える際の参考にしてみて下さい。

 

①事業の継続が可能となる
M&Aの選択をせずに事業承継を諦めた場合、会社はどうなってしまうでしょうか。
当然、廃業をする事となるので、経営者は元より多くの従業員に対して様々なデメリットが発生します。
従業員は転職を考えなければなりませんが、年齢によっては再就職が上手くいかない方も出てくるでしょう。それ以外にも信頼関係を築いてきたお客様との関係にもヒビが入ってしまいますし、各種手続きに費用や手間も発生します。
これらデメリットをM&Aにて事業承継すれば回避する事が可能です。
良きパートナーを見つける事が肝となりますが、相互の理解が得られれば事業のさらなる発展も期待できるでしょう。

 

②幅広い選択肢の中から後継者候補を探せる
親族や社員から後継者を見つけようと考えると、どうしても視野は狭くなってしまいがちです。丁度よく能力的にも優れた適任者がいればいいですが、なかなかそうもいかなケースが増えてきていると思います。
お子様には自由に職業を選んでほしいと考える経営者も多いですし、社員に難しい経営の重責を任せるのは気が引けてしまう方も珍しくありません。

そうした場面では、M&Aを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
M&A専門の業者にサポートを頼めば、経営者自身に人脈がなくても幅広いネットワークから適した会社をピックアップしてもらえます。M&Aにはそれなりの準備は必要ですが、事業承継に対して希望が見出せるはずです。

 

③資金を獲得できる
M&Aを行えば、事業を承継すると同時に会社を売却する事になるので、ある程度のまとまった資金を獲得できます
具体的な金額は会社の規模によって異なるために、一概に明言する事は出来ませんが、経営者の今後の生活において心強い支えになるのではないでしょうか。
もしM&Aをせずに会社の廃業を選択していたらどうでしょう。税務処理の依頼費用など諸経費が発生していたはずです。こうした金銭的な負担をせずに前向きな資金を獲得できるのは、M&Aにて事業承継を行う大きなメリットと言えるでしょう。

 

旅行代理店の事業承継のポイント


最後にお伝えしたいのは、実際に旅行代理店の経営者の方がM&Aにて事業承継を行う際のポイントです。
旅行代理店ごとに重視するポイントは異なると思いますが、ここでは共通して大切な項目を4つピックアップしてみました。
旅行代理店ならではの事柄も含まれるので、よく確認しましょう。

 

ポイント①:旅行代理店業界に詳しい専門家を起用する
事業承継のM&Aに興味は沸いたけど、M&Aって具体的に何をすればいいのか分からない、専門的な知識がないけれど大丈夫なのと疑問や不安を持たれた方も多いのではないでしょうか。
そんな際にはM&Aの専門家の力を借りる事が出来ます。代表的なところではM&A仲介会社やファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる方達がいます。
そもそもM&Aを自社だけの力で行うのは現実的ではなく、専門家を起用するのが一般的です。会社の目的によっては、会計士や弁護士、銀行や証券会社の専門家を選定するケースもあります。
この専門家を選ぶ際にポイントとなるのが、専門家の得意としている分野や今までの実績です。過去に旅行代理店のM&Aの成功事例が多数ある専門家なら安心できますよね。
また事業承継のM&Aの経験がある専門家だとより頼もしいでしょう。

 

ポイント②:相手の気持ちを理解して行動する
旅行代理店で業務をしていて、大切にしている事は何があるでしょうか。
やはりお客様がいて初めて成り立つ商売だと思うので、相手を思いやる気持ちは自然と持ち合わせていると思います。
加えてお客様の潜在的な要望を汲み取ったり、+αの提案を心掛けたりしますよね。
この考えた方は事業承継のM&Aにおいても一緒です。
会社が相手だと思うとかしこまってしまうかもしれませんが、中身は同じ人間です。
自社の運営と同じように、相手の企業も経営するためのビジョンや指針があるはずです。
そうした経営者の気持ちを理解して歩み寄ろうとする姿勢はM&Aをする上で何よりも大切です。
M&Aが無事に成功をしたら、会社を承継してもらい1つの企業として歩みを共にする事になります。そこで今までよりも力強く大きな一歩を踏み出すためにも、コミュニケーションは大切にしましょう。

 

ポイント③:取り扱い商品の強みを見極める
同じ旅行代理店といっても、強みとしている商品にはそれぞれ差異があると思います。
格安の海外旅行を売りにしている店舗もあれば、国内旅行を得意としている旅行代理店もあります。最近では地域に根差した様々なアクティビティに力を入れている会社も目立ちますよね。
このように旅行代理店には個性があります。事業承継のM&Aを考える際にも、自社の強みと相手企業の良さを細かく分析し理解するようにしましょう
自社の方向性とフィットしている企業なのか、それとも全く異なる分野が強い企業なのか、それによって事業承継後の自社の道は変わります。
社員の適性や考えも尊重しつつ、後悔のない判断をしましょう。

 

ポイント④:WEBサイトの有無を確認する
インターネットと旅行の親和性の高さは既に述べていますが、利便性以外にもWEBサイトは大事な役割を果たしています。
それは、企業の信用性を考える上でも重要な物差しになるという事です。
WEBサイトは旅行代理店に限った話ではありませんが、今の時代、企業の名刺代わりの役割も果たしています。
情報量が豊富で、丁寧な作りのWEBサイトがあれば、それだけ相手企業の信頼感も増しますし、逆にWEBサイトの作りが雑であると、そもそもWEBサイト自体が無い場合は不信感も沸いてしまいます。
事業承継の話が進み、候補の企業がいくつか現れた場合は、まずは相手企業にWEBページがあるのか確認しましょう。
そして内容も熟読し、信頼のおける相手なのかよく見極めましょう。

 

まとめ

旅行代理店の事業承継とM&Aについて詳しくみてきましたが、いかがでしたでしょうか。事業承継問題で手詰まりしていた経営者の方が、打開策のヒントが少しでも得られたのなら幸いです。
本記事を参考に旅行代理店の事業承継をM&Aにて検討してみましょう。

旅行代理店の事業承継でお困りではないですか?
事業承継の問題は、多くの中小企業の経営者が頭を抱えています。旅行代理店業界も例外ではありません。
加えて近年では、旅行者自身が気軽にインターネットで格安の旅行プランを比較できる事が当たり前になっており、旅行代理店業界の競争は年々激しさを増しています。
事業承継で悩む旅行代理店の経営者自身も、可能なら事業を存続させた上で、社員にとって最良の道を選択したいはずです。
そんな苦しい現状の打開策としてM&Aが注目されています。
今回は旅行代理店の事業承継とM&Aにスポットライトを当てて詳しくご紹介したいと思います。
Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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