2019年5月23日 木曜日

中小企業の事業承継でお困りではないですか?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

中小企業の事業承継でお困りの方はいらっしゃいますか。自身の子息に会社を継がせたいけれど本人にその意志が無く、従業員に会社を継がせようにも適切な人物がいないため、途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。

現在、中小企業の経営者は高齢化が進んでおり、後継者問題は深刻な課題です。このように、会社を継がせようにも後継者が見つからないと、最終的に廃業をせざるをえません。

そこで、廃業を考える前にM&Aによる事業承継を提案します。M&Aを行うことで、現状に活路を見出せるかもしれません。この記事では、M&Aによる事業承継について詳しく解説していきます。

 

中小企業を事業承継しよう

中小企業の経営者の年齢は、60代から70代が一番多くなっています。そのため、経営者の年齢面から、中小企業の多くは、事業承継が差し迫った課題であると言えます。

しかし、その問題を解消できずにいる中小企業の経営者が多くいることが実情です。このような事業承継問題は、経営者なら必ず経験することです。企業の経営者は、どんな年齢であろうと事業承継について理解をして、早くから準備を進めておく必要があります。

 

中小企業を取り巻く現状

現状として、中小企業を巡る状況は厳しさを増しています。景気の面では、好景気であるにも関わらず、中小企業の売り上げと生産性はともに頭打ちになっています。また、好景気のため中小企業では必要な数の従業員を揃えることができていない状況です。なかでも、一番困難な状況に陥っているのが中小企業の後継者の問題です。

 

経営者の高齢化

中小企業において、経営者の高齢化が進み、大きな問題となっています。

中小企業白書によると、1995年には経営者の年齢として47歳が最多でした。ですが、20年経った2015年には66歳が最多となり、この20年で中小企業の経営者が年を重ねていることが分かります。

このように、高齢化にますます拍車がかかる中小企業の経営者にとって重大な課題は、事業承継をいかにして行うかということになっています。

 

廃業件数の増加

近年、企業の廃業件数は増え続けています。中小企業白書の報告によると、2007年は、約2万件だったのが、2016年には約3万件と約1万件も増加しています。一方で、廃業や解散する企業経営者の年齢は2007年までは60代以上が全体の70%を占めていましたが、2016年には全体の82%にまで増加しています。このデータから、企業の廃業や解散件数の増加は、経営者の高齢化が最大の要因と言えることが分かります。

 

後継者がいない、そんなときは

後継者がいなければ事業承継を行うことはできません。現在、全ての企業のうち約70%が後継者が不在で、これは会社の存続において非常に大きな問題です。中小企業では、経営者が親族以外に事業承継することに消極的な場合がほとんどです。

全ての企業のうち、約90%は社内への承継なので、一見すると事業承継は容易なイメージがありますが、実際のところは非常に難しいのです。以下、社内承継を行うにあたっての問題点を紹介します。

 

親族への承継問題

親族内で事業承継を行う際にも後継者がいないということが問題になっています。

親族内承継は、後継者に経営者の子息が就くというケースが最も多いのですが、実情として、その子息がその会社に勤めていない場合が多くあります。そのような場合、会社経営の経験がないことに加え、その会社のことをよく分かっていないので、すぐに事業承継することはできません。また、会社を継いで経営者になるということは、大きな責任を背負うことになります。しかし、そのように大きな責任を背負ってまで、会社を継ぎたくないと思っている親族は多いです。

これらの事情から、親族内の事業承継は、決して簡単には行えないのです。

 

従業員への承継問題

親族内で事業承継が行えない場合、その会社の従業員に承継するというケースは増えています。その理由として、従業員はその会社に長年勤めていて、その会社の事業や従業員の事情を最も理解しているからです。

しかし、従業員への事業承継にも問題はあります。それは資金面での問題です。中小企業では、経営者自身がその会社の所有者である場合が最も多いです。そのため、従業員が事業承継を行うには、その対価を経営者に支払わなければなりません。しかし、多くの場合、従業員がそれだけの資産を持っていないので、会社を継ぐ意志があったとしても事業承継を行うことは非常に難しいと言えます。

 

M&Aによる事業承継をしよう

会社を継がせられる人が、親族にも従業員にも見当たらない場合、事業承継としてM&Aを行うという手段もあります。M&Aとは、企業の吸収や合併を意味し、2つの会社を1つに統合したり、ある会社が他の会社を吸収したり、事業を受け継いだりするものです。

一見すると、会社の資産の譲渡と何が違うのだろう、と思われるかもしれませんが、M&Aは「事業」そのものを譲渡するので、資産譲渡とは異なります。そのM&Aを行う場合、事業の承継先はあくまで他の会社です。つまり、現在経営している会社を、他の会社に買収してもらうことが目的です。M&Aを用いて企業を売却したら、購入先の企業が、事業を継続して経営してくれるので、いままで育ててきた事業を消滅させずにすみ、スムーズに承継をしてもらうことができます。

 

M&Aによる事業承継を選ぶメリット

経営している会社に後継者がいない場合、M&Aを用いて別会社に売却し、事業承継を行うという手段もあります。ここからは、そのM&Aについてのメリットをご紹介します。

 

事業承継の完了までの期間が短い

M&Aを行うメリットは、短い期間で事業承継を実現できることです。

自分の親族や、会社の従業員に継がせる場合は、後継者を選定した上で育成し、段階的に経営を任せていくといった作業が必要なので、数年以上の時間を要することになります。

これに対し、M&Aを用いるなら、会社の買収を希望する企業が見つかり、譲渡価格などの条件さえあえば、事業承継をすぐにでも行えるので、早ければ3カ月でM&Aが完了する例もあります。

 

今行っている事業で成長できる可能性が高い

M&Aを行うことにより、今行っている事業を存続させられるだけではなく、高い可能性でその事業を成長させることができます。

M&Aによる事業承継の場合、通常は自社よりも企業規模の大きな会社が買収することになります。資金力があり、ノウハウの多い会社に買収されると事業が成長できる可能性も高くなります。さらに、買取先企業の事業内容との相性が良ければ、相乗効果が生まれ、事業が勢いよく発展する可能性もあります。自身が精魂を傾けて経営してきた会社ですから、たとえ事業承継後であっても、会社が成長していくのを眺めるのは、喜ばしいものです。

 

従業員の雇用を守ることができる

会社を手放すと決めたものの、自分の会社のために働いてくれた従業員の行く末は気になるものです。今日まで会社に貢献してくれた従業員を、決して路頭に迷わせたくはないでしょう。

そんな経営者には、M&Aがうってつけです。M&Aを利用して、事業承継を行った場合、今雇っている従業員は会社の業績に左右されずに、引き続き安心して働ける可能性が高いです。そのため、M&Aを行えば、売却後に従業員が路頭に迷う心配もありません。会社を退くものの、従業員の雇用を守りたいという経営者は、M&Aを検討することを強くおすすめします。

 

手元に大きなお金が入ってくる

M&Aで事業承継をすると、手元に大きなお金が入ってくることもメリットです。例えば、株式譲渡の方法を用いてM&Aを行うと、事業規模にもよりますがかなりの大金が元経営者の手元に入ってきます。このお金をリタイア後の生活の糧とすることもできますし、心機一転し、新しいことにチャレンジする資金にもなります。

 

中小企業の事業承継のポイント

中小企業の事業承継には、どのようなポイントがあるのでしょうか。以下のことに気を付けて、円満な事業承継を行いましょう。

 

現社長以外でも運用できるビジネスモデルか

中小企業を事業承継する上で、見極めるべきポイントの1つは、現社長以外でも運用できるビジネスモデルであるかです。つまり、経営者が引退後の体制をしっかり構築しているかどうかが非常に大切です。

もしも、すべてのノウハウや営業先が社長についていて、社長抜きには会社が回らない場合は、たとえ会社の利益が大きくても、結局は現社長がいなければ成り立たないので、基本的にM&Aの話は難しいでしょう。

一方で、それを社員やアルバイトでもできる仕組みが構築されており、現社長が抜けても会社が回る仕組みが整っている企業は、M&Aの案件として価値のあるものであると言えます。

 

売却金額にとらわれず信頼関係を大切にする

M&Aが成立すれば、結果として大きなお金が動きます。会社の売却という大きな取引を行うので、その金額も大きくなります。そうすると、売り手側も、買い手側も、目先の金額を必要以上に意識しがちになります。当然のことながら、売り手企業としては1円でも高く売りたいと考え、買い手企業としては1円でも安く買いたいと考えるものです。これは商売なので至極まっとうな考えではあります。

M&Aを行う企業の価値自体は、現状の資産額やキャッシュフローから大体の金額を割り出せますが、どの指標に重点を置き、何を評価するかで、売り手企業側と買い手企業側で、たびたび食い違いが生まれます。そのような時は、決して無理に攻めるのではなくて、相手との信頼関係を大切にして、将来的に得られる利益をよく考えて、妥協点を探りましょう

誠実さに欠ける企業を相手にすると、基本合意書を交わした後に、売却金額に異議を唱えだしたり、想像を超えるリスクが発覚したりすることがあります。そのため、目先の金額にとらわれてM&Aの相手を決めることは、確実に不利益をもたらすでしょう。売り手側も、買い手側も、お互いに信頼関係を築くことができるかどうかが非常に重要だと言えます。

 

秘密を厳守する

会社を守るためには、業務で知り得た秘密の厳守は当然のことです。特にM&Aに関しては、非常に大きな契約なので、成立するまで情報をしっかり管理する必要があります。わずかな情報漏洩から、成約直前の交渉がひっくり返ることもあります。

売り手企業にも、買い手企業にも言えることですが、特に売り手企業の経営者は、M&Aの検討段階では、決して誰にも話してはいけません。中小企業の場合は、身内の役員にも話すと不必要な問題に発展することもあり得ます。例えば、経営者の社内での求心力が落ち、従業員が離れていく、といった可能性があります。

そのため、経営幹部にM&Aの話をするのは、具体的にM&Aの話が動き出してからにしましょう。そして、情報共有は最小限の人だけにすることがベストです。M&Aを行うためには、役員や財務・法務の責任者だけではなく、株主が関わってきます。ことを荒立てると、取引先と不和になることや、M&Aの相手となる買い手企業に疑念を抱かせることになりかねません。

このような理由から、取引先や従業員にM&Aの話をするのは、M&Aの成立後が良いでしょう。この時、発表の仕方やタイミングが良ければ、従業員の士気を高めることも可能です。そして同時に、従業員の帰属意識を尊重することも決して忘れてはなりません。

 

まとめ

いかがでしたか。中小企業の事業承継について、M&Aを用いた手法をご紹介しました。

現在、中小企業の経営者にとって、後継者不足は深刻な問題です。自身の子息をはじめとする親族や、従業員の中に、後継者を見いだせない経営者も多いのが現状です。後継者が決まらない場合、最終的に会社を廃業することになりかねません。会社が廃業になると、働いていた従業員は職を失い、企業が蓄積してきた技術やノウハウも消失してしまいます。そういったことを防ぐ手段として、M&Aによる事業承継があります。

M&Aを行えば、廃業を考える企業であっても、社員の雇用を守り、会社の財産である技術を残すことも可能です。そのため、中小企業の事業承継でお困りの方は、M&Aも選択肢の一つとして考えてみてみることを強くおすすめします。

中小企業の事業承継でお困りではないですか?
中小企業の事業承継でお困りの方はいらっしゃいますか。自身の子息に会社を継がせたいけれど本人にその意志が無く、従業員に会社を継がせようにも適切な人物がいないため、途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。
現在、中小企業の経営者は高齢化が進んでおり、後継者問題は深刻な課題です。このように、会社を継がせようにも後継者が見つからないと、最終的に廃業をせざるをえません。
そこで、廃業を考える前にM&Aによる事業承継を提案します。M&Aを行うことで、現状に活路を見出せるかもしれません。この記事では、M&Aによる事業承継について詳しく解説していきます。
Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
2019年5月23日
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