2018年12月3日 月曜日

ラーメン屋の事業売却のポイントとは?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

現代社会はAI(人工知能)の開発により、いろんな職種がAIにとって代わるといわれています。

しかし、人間にしかできない仕事もあります。

その代表が会社経営者です。

会社は人間の集まりであり、人との対話で成り立っているからです。

AIには、人の気持ちを読み取ることまではできません。

どんなに業績が良くて、体力も心配ないと思っていても、やはり人間ですから歳を取っていくにつれて、気力はあるけど体力がついていかなくなってくるのです。

経営者が人間であるゆえに、かならず立たされる岐路が3つあります。

「承継する」か「廃業するか」か「売却する」かの3つです。

今回お話していく、「ラーメン屋の事業売却」でのラーメン屋さんはかなりのハードワークです。

年齢的な、体力的な問題がでてくるのではないでしょうか。

今回は、3つの岐路に立たされる前に、「売却する」について少しでも興味を持てるように、そのメリットや注意点についてご紹介していきます。

 

ラーメン屋の事業売却で次のステージへ

日本の社長の平均年齢は61歳となっています。

そして、退任する年齢は、大体70歳くらいです。

会社を退職する年齢も現在は、70歳とするところが増えていますよね。

これは、健康寿命とほぼ同じ年齢です。70歳くらいまでなら元気で働けるということです。

しかし、今回は「ラーメン屋の事業売却」についてお話します。

先程もお話ししましたが、ラーメン屋さんというのは、本当に忙しい職種です。

体力勝負になってきます。

今まで、お話した日本の社長というのは、サラリーマンを想定していますので、ラーメン屋さんのように経営者もお店に出てバリバリ働いている場合なら、リタイアする年齢がもっと早くなるかもしれませんよね。

同じ仕事を子供が継いでくれる、従業員の中で継いでくれる人がいればいいけど、それも難しい問題ではないでしょうか。

後継者不在は自営業の方々の深刻な問題となっています。

この深刻な問題を解決してくれるのがM&Aによる「事業売却」なのです。

 

《外食産業全体が高齢化》

後継者不足、業界全体の高齢化と飲食業界も多くの深刻な問題を抱えています。

この状況の救世主がM&Aによる事業売却とお話しました。

外食産業に高齢化が進んでいて、飲食店を子供に継がせるわけにもいかないし、廃業するのはもったいないからとM&Aでの事業売却を選択するオーナーが増えています。

このラーメン屋を事業売却ということは、売り手側には確実に事業を引き継ぐことができて、買い手側にとっては、新しい店が手に入り新規事業へ参入できます。

ラーメン屋さんは人気があり、ラーメンが好きな人はたくさんいますよね。

ですからお店もたくさんあります。

今から新規参入となると難しいと思ってしまいますが、すでに経営しているお店が手に入ったら、比較的簡単にラーメン屋をはじめることができます。

買い手側と売り手側の両方にメリットがあるのです。

 

《ラーメン屋を事業売却して新しいステージへ》

事業を売却することにより、現金が入ってきます。

これを元手に新しい店を始めてもいいですし、リタイアして自分の時間を持つこともできます。

また、大手チェーン店に、事業売却して大手の傘下に入るということも可能です。

自分のキャリアを大手で活かすこともできますし、従業員の雇用も安定します。

買い手側が全く違う業界の場合だと、長年の経験を活かしてもらうこと自体が事業価値になりますので、あなたのキャリアも高い値段が付くことがあります。

 

《外食産業のM&Aは進化している》

今までのM&Aは、「企業買収」と言って、売り手側にとってはなんだか身売りや会社を乗っ取られるようなイメージでした。

しかし、現代のM&Aは、とても友好的です。

買い手と売り手が、事業売却が済めば終わりというわけでもなく、そこからが二つの会社が新しいステージへと進み、新しい事業が誕生していきます。

その会社で働く従業員も、新しい仲間ができて刺激を受けますから、両社の業績も上がってきます。

M&Aに対するマイナスイメージが払拭されてきているのです。

 

ラーメン屋を事業売却する目的にはこんなものがあります

《事業を売却する目的は多くある》

この目的は、事業売却のメリットにもつながります。

 

▼事業売却で売却益を確保する

新規店舗を増やしすぎて、経営が悪化してしまう場合もあります。

そこで廃業してしまうと、最悪の場合借金だけが残ってしまうことになりかねません。

しかし、既存の事業を売却して、売却金額が入ってくることで、新規店舗を立ち上げたときの借入金返済もできて、まだ売却金額が残る場合もあります。

M&Aで事業売却の話を進めるときに、この借入金なども算出して売却金額に入れるようにしておくのです。既存の店舗に営業利益がある場合は、かなり高額で売却できるからです。

 

▼大手傘下に入ることで人材雇用の安定化

今は、人材不足が深刻化しています。

飲食業を経営している方なら、実感されている方も多いのではないでしょうか。

お客さんは多く来るのだけど、対応するスタッフが少なすぎると店の経営が継続できない方がとても多いのです。

資金が潤沢にある大手に事業を売却することで、従業員の雇用が安定します。

また、買い手企業の従業員が入ってくることにより、お客様へも十分なサービスを提供できるようになります。

 

▼人材が育ち新しい活躍の場が広がる

買い手側と売り手側と、お互いの会社が尊重しあうことで、新しい事業が生まれます。

異業種であったとしても、お互いの人材が切磋琢磨して意見を交換することで、新しい事業が展開していきます。

お店が成長していくのです。

これは、事業売却することでの最大の目的であり、メリットではないでしょうか。

 

ラーメン屋の事業売却を行う上での注意点

この項目では、事業売却をスムーズに、そして高い売却額で売り切るための注意点をご紹介しましょう。

 

【事業価値を安売りしない】

《ラーメン屋のスープは大切な事業価値》

ラーメン屋というのは、その店独自のスープを開発して、それが客の好みに合えば、遠方からでもそのお店に通ってくれます。

同じとんこつラーメンでも、お店によって全く味がちがいます。

スープの作り方とそれに絡む麺をお店ごとに変えているからです。

細いめんが好きな人もいれば、太くて縮れた麺が好きな方もいます。

ラーメン屋さんの前で長い行列ができていることをよく見かけますよね。

工夫して長い年月をかけて作り出したスープです。

この作り方はかなりの事業価値がありますので、早い段階でレシピを公表しないようにしてください。

買い手側、売り手側が同意して売却が成立してもまだ教えるのは良くありません。

売却金額が入って、それからお店の引継ぎ段階になったときに、教えても遅くはありません。

また、そのスープに合う麺の仕入れ先も大事な事業価値になります。

ラーメン屋さんは、スープの作り方もですが、仕入れ先も大事な情報です。

売却金額を入って、引継ぎの中で教えていくようにしてください。

そんなことはわかっています!と思うかもしれませんが、誰もが自分のお店を売るなんてことは初めてことが多いです。

買い手側が見つかって、売却代金を提示されたときにもう大丈夫と思って、大事な情報を教えてしまうことが多くあります。

くれぐれもお気を付けください。

 

《事業価値を下げてしまう理由》

飲食業界で下げてしまう理由を3つご紹介します。

  1. 売掛金を回収できていない
  2. 未払い残業代がある
  3. 設備投資にお金をかけすぎた

他にもたくさんの事業価値を下げてしまう理由はあるのですが、今回はこの3つにしぼります。

①の理由ですが、これは俗にいう「ツケ」ですよね。

ラーメン屋さんというのは、現金商売です。

ツケはききませんから、この売掛金が回収できないという心配はありません。

日銭が入ってくる商売です。

だからこそ買いたいと希望する企業が多いのも事実です。

売り上げに関しては、レジシステムで管理して、1日の売り上げ、1週間の売り上げ、曜日ごとの売り上げなどを徹底的に管理しておいて、売り上げデータを提示することで事業価値が上がってきます。

次に②の理由です。

これはかなり深刻で難しい問題です。

未払い残業代、未計上の退職金があるのは問題です。

簿外負債を抱えているとなると事業価値は途端に下がります。

タイムカードを徹底的に管理しているだけではダメです。

スタッフも少しくらいのタイムログなら許してくれているという緩い考えも絶対よくありません。

それは新しい買い手企業には関係ないことです。

もし未払いの残業代が発覚したら即支払わないといけません。

未払い残業代の時効は2年ですから、買収したあとに、未払いが発覚したら支払わなければならないのですから、賃金に関してはかなりナーバスになります。

また、飲食業界の人手不足は深刻化しています。

かならず賃金に関しても未払いなどないよう対応してください。

スタッフとも定期的に面談するなど信頼関係も築いておいてください。

③の理由も多く見受けられます。

これは、良くある話なのです。

厨房設備にかなりの金額を投資してそのことで事業価値が上がると思いがちなのですが、そうとも限らないのです。

実際に、厨房を新しくして作業効率が上がって、売り上げも上がったけど?と思う方もいるかもしれません。

しかし、買い手側は厨房設備を新しくしなくても作業効率を上げる方法はあると思えば、その高価な厨房設備は事業価値にはならないのです。

また、「お客様にゆっくりしてもらいたいから、内装をおしゃれにしてみました」と言っても、ラーメンというのは、短時間ですませる食事です。

そんなに長い時間滞在するわけでもないと思えば店の内装も価値があるものではないと思う買い手もいます。

やはりM&Aを行うのは人間同士ですから、価値観のズレはあります。

これは飲食業界にかぎらず、全て事業を経営する方に言えることなのですが、あまりにも高額な設備投資はしないことです。

そして設備投資をする前に良く考えてください。

自分の事業を高く売却したいと思ったら設備投資は控えてほしいのです。

 

《引退時期を遅らせることも考慮する》

事業を売却してしまったら、もうすぐリタイアと思ってしまいがちですが、買い手側によってはオーナーにしばらく引き継いでほしいと希望することもあります。

そんな時は、どうすればいいのか?

すっきり売却して、早くリタイアしたいなら売却金額を低くすることも考えられますが、売却代金を減らさなくてもしばらく引継ぎに時間を割いてみるのも一考です。

フルタイム勤務ではなくても、少し短めの勤務時間にしてもらったりしてもいいのではないでしょうか。

売却したらおしまいではなく、今までの経験を少しだけ新しいお店の為に提供してみてください。

オーナーの経験は、立派な事業価値になります。引継ぎが必要なら売却金額を高くできる場合もあります。

 

まとめ

今回は、「ラーメン屋事業売却」についてご説明してきました。

特に、今深刻化している「飲食業界の人材不足」と「高く売却する」ことに焦点を絞ってお話しています。

いずれは、事業を承継する、廃業する、売却すると3つの岐路に立たされるとお話したんですが、こうなってくるとお店を始めた当初から、「売却する」ことを念頭に経営をすすめていかなければならないのではないでしょうか。

もちろん経営しているときに売り上げを伸ばすことはとても大切なことですが、自分が続けてきた事業を「高く売る」ということも経営の集大成ではないでしょうか。

事業価値を下げてしまう理由でお話しことに、十分ご留意頂いて、大切な事業を高い金額で売却していただきたいと思います。

ラーメン屋を買って、自分の既存の事業に新しく取り入れたいと思っている企業はたくさんあります。

ぜひ、この機会にご自分の事業売却を検討してみてはいかがでしょうか。

そして、買い手側を探すとのは、一人で探すのはとても大変です。

飲食業界のM&Aの実績があるエージェントにご相談されることをお勧めします。

ラーメン屋の事業売却のポイントとは?
現代社会はAI(人工知能)の開発により、いろんな職種がAIにとって代わるといわれています。
しかし、人間にしかできない仕事もあります。
その代表が会社経営者です。
会社は人間の集まりであり、人との対話で成り立っているからです。
AIには、人の気持ちを読み取ることまではできません。
どんなに業績が良くて、体力も心配ないと思っていても、やはり人間ですから歳を取っていくにつれて、気力はあるけど体力がついていかなくなってくるのです。
経営者が人間であるゆえに、かならず立たされる岐路が3つあります。
「承継する」か「廃業するか」か「売却する」かの3つです。
今回お話していく、「ラーメン屋の事業売却」でのラーメン屋さんはかなりのハードワークです。
年齢的な、体力的な問題がでてくるのではないでしょうか。
今回は、3つの岐路に立たされる前に、「売却する」について少しでも興味を持てるように、そのメリットや注意点についてご紹介していきます。
Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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