2019年7月30日 火曜日

通訳・翻訳会社の事業承継でお困りではないですか?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

会社の後継者がおらず、事業承継をすることに悩んでいる経営者の方は増加傾向にあります。経営者の中には事業承継の手立てについて詳しい知識がないばかりに、立ち上げた会社をたたんでしまうオーナーがいるほどです。しかし、事業承継についての知識があれば状況を好転させることが出来る可能性があります。経営者である以上、従業員の生活を守る責任があるでしょう。最近の経営手法で盛んになってきていても、意外に実情を知られていない事業承継について、正しい知識をお伝えしていきます。

通訳・翻訳会社を事業承継しよう

近年の通訳・翻訳会社は機械学習や新たなテクノロジーを取り込むことで、目まぐるしい発展をとげています。通訳・翻訳業界にいる多くの中小企業は、大企業に比べ、より特化した専門技術を身に付けていますが、激しいテクノロジーの発展にはついていけていない場合が多いのが現状です。また、経営者の高齢化が進み世代交代に頭を悩ませている通訳・翻訳会社も数多く存在します。

そこで問題解決の糸口となり得るのがM&Aを用いた事業承継です。

通訳・翻訳会社をM&Aによって事業承継することは、売り手、買い手双方にとってメリットが生まれる可能性がありますが、成功させるためにはきちんとした情報収集が肝です。

事業承継を積極的に取り行えるように、正しい知識と必要なノウハウをご紹介していきます。

 

事業承継とはなにか

事業承継とは、代表取締役に当たる会社の全責任を有する企業のトップが、会社の経営権を自分以外の第三者に承継することを指します。世の中に様々な企業が存在する中で、特に中小起業の自社の色は社長によるところが大きいため、会社そのものが存続するためにオーナーである社長の手腕は非常に大切です。

社長が代わるということですから、事業承継は会社にとって一世一代の出来事と言えるでしょう。

 

事業承継先の主な選択肢

事業の引継ぎを任せる主な候補は以下の三つです。

  • 親族
  • 親族以外の従業員
  • M&Aによる承継

 

いずれの選択肢を取るにせよ、会社のありとあらゆる決定権を承継するわけですから、人選に慎重になることはいうまでもありません。

 

事業承継先に選ばれる割合

20年前には事業承継は親族に引き継ぐのが最も一般的で全体の85%を占めていました。自らが所有する会社は子息に引き継ぐのが時代の流れの中で慣例となっていたためです。しかし、近年では親族内承継の割合は35%まで目減りし、逆に親族外での承継の割合は年々増加の一途を辿っているのです。いわば割合の逆転現象です。

 

事業承継に親族が選ばれなくなってきた理由

親族が後継者に選ばれない風潮が世の中に出回ってきているのは、少子高齢化の煽りを受けているためです。経営者がいざ事業の引継ぎを考えた時、子息に適任な人材が育っていないなども理由の一つでしょう。

実際問題、身内を後継者に指名することで、従業員との軋轢が生じる可能性も考えられます。親族を事業承継の選択肢しようと固執するのは、今のご時世ではすこしばかり古い考え方であると言わざるを得ないのです。

 

後継者がいない、そんなときは

「経営権を持つ会社を、誰かに委ねたいと考えていても最適な後継者がいない」

実はこの問題に直面している通訳・翻訳の中小企業は、近年増加傾向にあります。後継者がいないと悩んでいるのなら、M&Aによる事業承継を検討すべきかもしれません。

ひと昔前の時代はM&Aや事業承継と聞くと、自分の企業を乗っ取られてしまうのではないかという漠然とした不安が根強くありました。そのために多くの経営者は後継者を立てられなかったとき、廃業という選択肢を余儀なくされたのです。同時にM&Aの知名度が低かったこともあります。

しかし、現在は事業承継に対する負のイメージは払拭され、実際にまったく他の系列の企業に経営権を譲り渡す企業が出てくるほどです。後継者を立てられずに困っている企業は、後継者問題の解決案が見付けられず、後継者に沿う人物を見つけられなかったなら、その企業に未来はなく、いずれは看板を降ろすという選択が待っています。

現状日本における中小企業の半数以上が後継者問題に悩まされており、後継者問題を解決しようという需要が多くあります。

さて、これから具体的に誰に事業承継するという案があるのかを列挙していきます。

 

親族・身内を後継者に指名する

M&Aという手法を使わずに、原点に戻って事業を承継するという方法です。しかし親族を指名することで後継者問題が解決するのであれば、もともと多くの企業が後継者問題に頭を悩ませることもありません。なにより難しいとされるのは、後継者に対する経営手腕の教育です。自らの技を伝授する際、身内にはかえって他人には使うことのない余計な気を使ってしまうケースも考えられます。

 

従業員から後継者に抜擢する

古くから会社に貢献しており、一目を置かれている従業員という存在は会社という組織に必ずいるはずです。そうした従業員は、自ずと社内の人間関係にも精通しているので、人事において従業員からの抜擢という選択肢もありえるということです。

 

M&Aによる事業承継を検討する

最も現実的に考えられる後継者問題の解決案は、やはりM&Aによる事業承継です。事業承継により買収側の企業が事業や会社の運営を引き継いでくれるために、後継者問題はきちんと解決することができるのです。

 

事業承継の仲介会社に相談を持ちかける

事業承継の仲介を専門に行う会社が存在します。こうした企業に相談を持ちかけるというのも一つの選択肢です。自社の特色に合った後継者を探してもらえるだけでなく、承継先を選定した後の、さまざまな諸手続き、およびサポートを実施してくれる仲介会社がほとんどです。

 

後継者募集のマッチングサイトを利用する

後継者募集のマッチングサイトとは、後継者を探している経営者と、事業を引き継ぎたいと考えている人とを引き合わせるサービスです。経営者側が自社を引き継ぐ際の条件を細かに記入し、その条件を飲める企業や個人が名乗りをあげます。そのため自分の希望する後継者と巡り合える可能性は高くなります。

 

M&Aによる事業承継を選ぶメリット

事業承継といっても、実際にはそのメリットを感じづらいという方もいらっしゃることでしょう。ここで、M&Aの手法を使った事業承継の、買い手側のメリットと売却側のメリットについてご紹介します。

 

売却側のメリット

後継者問題がクリアになる

後継者問題に悩んでいたとしても、事業承継を行うことで、問題なく後継者に自らの地位を引き継がせることが可能です。この問題をクリアにすることは昨今の中小企業において至上命題であるといっても過言ではありません。

売り手企業が優秀な従業員を解雇せずに済む

事業継承で大きな企業に買収されることで、金銭面での不安はひとまず解消されることでしょう。そのため優秀な従業員を解雇せずに済み、雇用を守れる可能性が高くなります。雇われている従業員も契約が継続することは、プラスに作用するので、経営者も従業員も、書いて企業も三方が得をする状況が生まれます。

まとまったキャッシュを手に入れられる

売却側の企業は事業承継により、買い手企業に事業が引き継がれる代わりに、経営者はまとまったお金を手にすることができます。また、株式引き渡しのスキームを考慮することで自らの地位を維持するということも可能です。

経営が安定する

自社よりも大きな企業に買収されるのが一般的ですから、金銭面の部分で不安要素がなくなり、健全に経営を再開できるのも、売り手側のメリットです。新たな資金源を手に入れたことで、新規事業や大きな投資をすることで、競争力をつけることもできます。

 

買収側のメリット

買い手企業が独自のノウハウを手に入れられる

買い手側は、買収によって売り手側の企業が培ってきたノウハウや独自の手法を導入することができます。これにより、買い手企業はよりいっそう業績を伸ばすことが見込めます。また、これをテコに、新たな産業に参入することもできるでしょう。

 

買い手企業に知的財産も引き継がれる

買い手は事業承継をすることで会社を大きくできますし、目に見えない価値のある顧客リストなどの知的財産を自らのものにできます。売り手側の企業が特許や独自の技術を持っている場合も同じことが言えます。

 

会社の規模を大きくできる

特にスケールメリットがはたらく通訳・翻訳業界であれば、会社の規模そのものが大きくなることによって、企業の価値・体力が高まります。

 

通訳・翻訳会社の事業承継のポイント

通訳・翻訳会社の事業承継についておさえておくべきポイントがいくつか存在します。事業承継を検討している場合は、頭に入れておく必要があるでしょう。

 

買取業者のニーズを的確に把握する必要がある

事業承継をしようと考えた時、買取側の企業が自社を買収するにあたって、目に見えるメリットがなければなかなか行動には移しません。買取業者が何を望んでいるのかを頭に入れておく必要があるでしょう。

 

例えば、通訳・翻訳会社を企業買収しようと考えているのであれば、外国語力に長けた人材を雇用することで、積極的な海外進出を検討しているのかもしれません。また、買い手側が通訳・翻訳業界に進出したいと考えているのかもしれません。このように、市場のニーズをつぶさに観察し、わかりやすい魅力を伝えていく必要があります。

 

事業承継はすぐには完結せずに長丁場になる

通訳・翻訳会社に限らず、事業承継とはどのようなプロセスで会社を引き継ぐのかという交渉を慎重に行っていく作業の積み重ねです。そのため、すぐに結果が出るものではなく、長い時間をかけてじっくり交渉をしていくのが基本路線となります。それを考慮に入れた上で、早め早めの行動を心がけておく必要があるでしょう。

 

きちんデューデリジェンスを行う

デューデリジェンスとはM&Aの専門用語で、M&Aに際して「企業の資産を調査する活動」のことを指します。会社に嘘の申告がないかといったことや、負債をうまく隠し立てていないかということについてきちんと情報を開示しておきましょう。デューデリジェンスはM&A仲介会社やコンサルタントなど、専門家にお願いするのが常です。後々トラブルが発生しないよう、時間とお金をかけてきちんと行いましょう。

 

万が一を想定し、専門家に相談を

事業承継は、売り手側と買い手側での双方できちんとした承諾のもと、交渉を進めていきます。それでも、「こんなはずではなかった」という結果が起こるのがM&Aです。そのため、不測の事態を避けるためにも、事業承継の専門家、M&Aの専門家に相談をするのは非常に有効な手立てです。

 

また、事業承継の専門家とひと口にいっても、会計、税務、法務など多岐に渡る知識を持った専門家がそれぞれ必要です。税務に強い税理士やトラブルを想定した時には弁護士、法律に特化している司法書士とケースよって専門家を使い分ける必要が出てきます。

 

事業承継を終えたあとの会社のビジョンを見据える

会社自体は事業承継をすることで買い手企業に引き継がれます。従業員の雇用問題や、後継者問題から解放され、経営者としては一息つきたいところでしょう。

 

しかし、事業承継後も、会社自体は形を変え、社会に残り続けます。会社がこれからどのような形で産業に、ひいては世の中に貢献していくのかという将来の展望をしっかり描いておくことは、非常に重要なことと言えます。

 

まとめ

この記事では、通訳・翻訳会社の事業承継について、気をつけておくべきポイントや、メリットについて解説してきました。少子高齢化が進み、テクノロジーが発展した時代において、後継者問題の深刻さは増すばかりです。

廃業をやむを得ないと考えている企業経営者の方々が、この記事を読んだことで事業承継に光明を見出せたなら幸いです。

通訳・翻訳会社の事業承継でお困りではないですか?
近年、通訳・翻訳会社は機械学習や新たなテクノロジーを取り込むことで、目まぐるしい発展をとげています。しかし、中にはテクノロジーの発展についていけない企業も多いことが現実です。そこで問題解決の糸口となり得るのがM&Aを用いた事業承継です。本稿では、事業承継を積極的に取り行えるように、正しい知識と必要なノウハウをご紹介していきます。

Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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