2019年1月24日 木曜日

保険代理店の事業承継でお困りではないですか?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

少子高齢化の問題も深刻な昨今ですが、事業承継について悩まれている経営者の方は保険代理店業界でも目立ちます。お子様や兄弟など身内に承継すればいいものか、社内で新たな経営者を見つけるか、経営者の数だけ悩みの形も様々かと思います。

そんな中、事業承継の問題を解決する手段として近年注目されているのがM&Aを用いた事業承継です。一昔前だと会社を売り払ってしまう行為として、M&Aはあまり良い印象を持たれていませんでしたが、最近では企業を存続させるための前向きな手段として一般的になっています。
今回はそんな保険代理店の事業承継とM&Aにスポットを当ててご紹介します。

 

保険代理店を事業承継しよう


では実際に会社を事業承継しようと考えた場合、どのような選択肢が経営者にあるのでしょうか。ここでは保険代理店業界の現状と具体的な事業承継の方法についてまとめてみました。

 

保険代理店業界の現状

保険代理店業界も、少子化による影響を強く受け、マーケットは縮小傾向にあります。一方で保険商品の販売形態は多様化しています。昔ながらの訪問販売に加えて、ネット販売や銀行窓販、来店型保険ショップなども増えており、競争はますます激しくなっています。
そんな厳しい現状を受けて、近年では保険代理店の店舗数は減少傾向にあります。特に中小規模の保険代理店は生き残りが難しい状況です。

 

事業承継とは

簡単に言うと、会社を誰かに引き継ぐ事を指します。誰に会社を引き継ぐかによって、事業承継には以下の3つの方法があります。

①親族内承継
もっとも古くから親しまれている方法でしょう。経営者のお子様やご兄弟といった親族内に承継を行う事を指します。この方法の大きなメリットは、早い段階から次期経営者候補のお子様などに教育を行える事です。自社のマインドや経営するにあたってのビジョンについて時間をかけてゆっくりと浸透させられるので、経営の引継ぎもスムーズに行えるケースが多いです。さらに身内への引継ぎの場合、周囲からの反感も買いにくいのもプラスな側面といえるでしょう。

②社内承継
2つ目は親族外の社内の人間に承継する方法です。承継する対象者は、成績も優秀で信頼のおける社員や役員が抜擢される事が多いです。社内承継する場合のメリットは、会社の文化やルールに対しても親しみを持っている社員に事業承継を行えば、新たに教育を行わなくても良い点が挙げられます。ただ注意点が1点あります。それは、企業の買取が必要になるので、それなりの資金が必要になる事です。そのため、場合によっては後継者候補の社員に事業承継を断られてしまうケースもあります。

③M&A(外部への承継)
3つ目の方法が、これから詳しくご紹介するM&Aによる事業承継です。身内でも社内でも事業承継が難しい場合、他企業に対してM&Aで自社を売却するという選択肢があります。経営者自身や多くの従業員にとって最良の方法を考えていく上で、M&Aは近年特に注目されており、実際にM&Aによる事業承継を実施する保険代理店も増えています。

 

後継者がいない、そんなときは


上記でも少し触れましたが、身内や社内に会社の後継者がいない場合の選択肢としてM&Aが注目されています。M&Aで事業承継するとは、つまり社外の企業へ会社を承継するという事です。まずは事業承継にM&Aが用いられる背景についてみていきましょう。

 

事業承継にM&Aが用いられる背景

多くの中小企業経営者は後継者の問題を抱えています。事業承継にも少子高齢化問題の影響があり、親族内に後継者をみつけられない経営者の方は珍しくありません。高齢になり健康にも不安を感じ始めると、多くの経営者の方はどう承継すればいいか、頭を悩ませます。実際には親族内で事業の承継に納得を得られなかったり、社内でも適任者が見つからなかったりと、スムーズに物事が進まない事も多いです。
そんな中で、社外に解決策を求めるM&Aが注目されており、近年は多く選択されています。

 

M&Aとは

M&Aとは「合併と買収」という意味で、「Mergers & Acquisitions」の頭文字を取った言葉です。M&Aの広義の意味としては、上述した企業の合併と買収だけでなく、提携までを含める場合もあり、複数の会社が一つの共通した目標に向けて協力する事を指します。

M&Aは主に以下の方法があります。
・株式譲渡
・株式移転・交換
・事業譲渡
・合併
・会社分割
これらの方法を用いた企業間のM&Aは、双方の企業納得のもとに適切に行われれば、売り手企業・買い手企業共に大きなメリットをもたらします。例えば事業領域の拡大や、経営基盤のさらなる強化が期待できます。
さらに後継者問題の解決に対してもM&Aは有効な手段です
M&Aは企業の存続と更なる発展をサポートする大胆な手段であると言えます。

 

M&Aによる事業承継を選ぶメリット


続いてはM&Aによる事業承継を選ぶメリットについて解説します。様々なメリットが考えられますが、主な利点は以下の3つです。M&Aによる事業承継を考える際の参考にしてみて下さい。

①事業の継続が可能となり、更なる発展も期待できる
M&Aを実施せずに廃業という選択をすると、様々なデメリットが発生します。
例えば、今まで共に働いてきた従業員にも大きな迷惑がかかりますし、それ以外に費用や手間も発生します。お客様との信頼関係にもヒビが入ってしまいますし、長年培ってきた技術や知識などのノウハウも無駄になりかねません。これらのデメリットは可能であれば回避したいと考える経営者は多いはずです。
そこで事業承継の為にM&Aを選択すれば、従業員の雇用も継続できますし、自社事業についても継続および更なる発展も期待できます

②外部から幅広く後継者候補となる企業を探せる
子供や従業員から最適な後継者を見つけ出せれば良いですが、なかなか思う様にいかないケースも増えています。例えば保険代理店の事業規模が小さく、適した後継者が見つからないことや、お子さんには自由な道を歩んで欲しいと考える経営者も少なくありません。
そうした場合にM&Aを選択すると、全国にある様々な規模の企業の中から、自社に興味を持ってもらえる相手を探す事が可能です。
これだけ書くと自社にはネットワークや繋がりもないのに、M&Aの相手を探すことに不安を感じるかもしれませんがその点はご安心ください。M&A仲介会社やM&Aアドバイザリーと呼ばれる専門家がしっかりとサポートしてくれます。

③会社売却によって資金を獲得できる
前述した通り、M&Aをせずに廃業を選択すると、費用もそれなりにかかってしまいます。例えば、在庫品の処分費用、税務処理の依頼費用などです。
M&Aを選択すればこれらの費用は不要になる上に、会社を売却した際に多額の資金を得られる可能性もあります。資金の金額は売却する企業の規模によって異なるので一概にはいえませんが、ある程度のまとまった資金が入ってくることは人生において様々なプラスになるはずです。老後資金として活用したり、これから新しく始めたい事業の運営資金に使ったり、使用例は様々でしょう。
このようにまとまった資金を入手できるのはM&Aを行う事の大きなメリットだと言えます。

 

保険代理店のM&Aを実施するうえでのポイント


事業承継とM&Aの違いや、事業承継にM&Aを用いるメリットについては理解して頂けたと思います。その上で最後にお伝えしたいのは、M&Aを成功に導くためのいくつかの大切なポイントです。
ただ闇雲にM&Aの実施を考えるよりも、これからご紹介する5つのポイントを押さえる事で、思い描いたM&Aの実行にぐっと距離が近づきます。それでは早速みていきましょう。

①M&Aの専門家を起用する
M&Aに興味を持っているけど、何から手を付けていいか分からない。M&Aについて専門的な知識が不足しており、これから事業承継でM&Aを考えたいのに不安がある。そんな悩みを持っている経営者の方も少なくないはずです。さらに日々の会社の経営もあるので、なかなかM&Aについて考えるまとまった時間の確保も難しいですよね。
そんな際は頼れるM&Aのプロフェッショナルの起用を考えましょう。M&AにはM&A仲介会社やM&Aアドバイザリーと呼ばれる専門家がいます
そもそも、M&Aを考える際に、M&Aの専門家を雇わずに、自社の力だけで複雑な手順を進めようとするのは現実的ではありません。いかに自社のニーズに合ったM&Aの専門家を選定できるかが、M&Aを成功に導くための第一歩であると言えます。

②相手企業の考えをよく理解する
例えばビジネスで商談をする際に、一番大切にする事はなんでしょうか。自社の製品について分かりやすく伝える事も大事ですが、それ以上に相手の要望や思い、悩みや課題を明確にしてあげる事ではないでしょうか。ただ一方的に自分の思いを伝えても、相手から共感してもらえる可能性は低いです。まずはしっかりと相手の意見をヒアリングする、傾聴する姿勢が最も大切になってきます。
これはM&Aの実施でも同様です。
会社を買う側と売る側、双方が相手の企業のビジョンや考えを理解しようとする姿勢が求められます。それぞれの考えに不一致が多いようでは、M&Aもうまくいきません。相手の主張をよく聞いて、時には歩み寄ってM&Aを進めていきましょう。

③社員の資格の保有状況をよく確認する
保険代理店業界で実際に働かれている方からすれば常識だと思いますが、実務で保険商品をお客様に販売するためには、資格試験の合格が必須です。
生命保険、損害保険の商品を取り扱っている保険代理店であれば、「➀生命保険募集人資格」・「②損害保険募集人資格」の2つの資格試験への合格が求められます。これらの資格はそれぞれ複数の試験で構成されているのも大きな特徴です。
お客様に対してより幅広い保険商品の販売を行いたいのであれば、複数の試験の合格が必要です。事業承継でM&Aを考える際も、自社の社員の資格の取得状況は必ずチェックされるポイントなので、現状を分かりやすくまとめておくようにしましょう。

④スムーズに資格取得できる環境が整備されているかチェックする
いくら保険商品を沢山お客様に販売したいという熱い思いがあったとしても、保険商品に対応した資格試験をパスしていないと、実務を行う事は出来ません。そこで重要になってくるのが、企業側の資格取得に向けた環境整備です。
例えば定期的な勉強会の開催や、資格取得に対して援助金の支給制度があると、社員も勉強へのモチベーションが上がりますよね。事業承継のM&Aの際も、これらの企業の文化は評価されます。どんな些細な取り組みであっても、伝える事で相手企業の印象が変わったりします。自社の良いポイントを改めて確認しましょう。

⑤保険商品の販売形態と強みを考える
保険商品が目に入ってくるのはどこからでしょう。テレビのCMでもお馴染みですが、街を歩いていても総合的に保険商品を扱う代理店が多くありますし、新聞や雑誌の広告でもよく目につきますよね。またインターネットを利用して保険商品の比較検討をしているという方も多いのではないでしょうか。このように顧客の目線に立って考えても、保険商品の窓口は多様化しているのが分かります。
消費者側のニーズに合わせて保険の販売形態も広がっています。事業承継でM&Aを考える際も自社が強みとしている販売形態や特に売りとしているポイントを明確に言えるようにしておきましょう。例えば丁寧なアフターケアや、お客様のニーズを聞き出す事を得意にしているなどです。就活の面接の準備のようですが、綿密に準備される事をおすすめします。

 

まとめ

保険代理店業界における事業承継とM&Aの違い、実際にM&Aを行う際のメリットやポイントについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。M&Aという選択肢を事業承継の方法に加えて考えるだけで、事業承継の問題も解決に向けて大きく前進される方も少なくないはずです。
M&Aと聞くと難しく大変なイメージもあると思いますが、今回ご紹介したようにM&Aの専門家もおりますし、近年では身近な選択肢になってきています。本記事を参考に事業承継のM&Aについて考えて頂けたら幸いです。

 

保険代理店の事業承継でお困りではないですか?
少子高齢化の問題も深刻な昨今ですが、事業承継について悩まれている経営者の方は保険代理店業界でも目立ちます。お子様や兄弟など身内に承継すればいいものか、社内で新たな経営者を見つけるか、経営者の数だけ悩みの形も様々かと思います。

そんな中、事業承継の問題を解決する手段として近年注目されているのがM&Aを用いた事業承継です。一昔前だと会社を売り払ってしまう行為として、M&Aはあまり良い印象を持たれていませんでしたが、最近では企業を存続させるための前向きな手段として一般的になっています。
今回はそんな保険代理店の事業承継とM&Aにスポットを当ててご紹介します。
Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
2019年1月24日
保険代理店のM&Aを実施する前に考えておきたいこと
2019年1月24日
事業売却の事例から読み解く潮流《保険代理店》
WEBからお問い合わせ
当社はお客様の事を最優先で考える成果報酬型エージェントです。
匿名をご希望されるお客様には、会社情報など一切公開せずにお問い合わせ頂く事が可能です。

お問い合わせ内容

氏名

電話番号

メールアドレス

メールアドレス(確認)

業種

会社名

お問い合わせ内容