2019年5月12日 日曜日

建築資材卸業の事業承継でお困りではないですか?

Written by 太田 諭哉(おおた つぐや)

近年、少子高齢化により働き手不足が深刻化しており、国もこの現象を防ぐことはできていません。多くの企業が働き手不足に悩まされ、経営が回らずに廃業・倒産を余儀なくされるケースは珍しくはありません。

建築業界においても経営者の高齢化や働き手不足で、事業をたたまざるを得ない状況に直面しています。

廃業から逃れるために取るべき行動はただ一つ、M&Aの事業承継による会社経営の維持です。

事業承継とはどんなもので、メリットはあるのか?
実際に、建設資材卸業の事業継承を行う際の、買収側の注意点も併せてご紹介していきます。

 

建築資材卸業を事業承継しよう

建築資材卸業とは

主な業務は、新築住宅やリフォームなどによる住宅に向けた建材販売です。

施主から部材メーカーまでで多層構造を形成しており、施主からの発注を元に、流通過程にある各製品の仕様が決定します。

工事期間中に仕様の変更や追加、減額などが発生した場合、すべての工程に影響が及びます。

一部の建設材料卸売業者は、加工業の役割を担っており、仕入れた建築資材を最終製品である建物部品へ加工する業務も行っています。

建築資材卸業の市場規模は縮小しつつありますが、中古物件のリフォームにより売上を伸ばしています。

また、地元に密着した業者が多いのが特徴であり、豊富な商材を取り扱っています。

 

事業承継とは

個人事業や中小企業を経営している場合、ある程度の年齢になったら、自分の体力面の衰えから事業を継承する選択を考えていく必要があります。

不動産や現金などの個別資産ではなく、会社などの事業そのものを後継者に引き継がせることを事業承継といいます

事業には、会社が所有している個別の資産、会社のブランドや経営権、取引先や信用、負債などが含まれます。

事業承継は、親族への承継・親族以外の従業員等に承継・M&Aでの承継、と大きく3つの方法があります。

 

建築資材卸業界の動向

建築資材卸業界の市場規模は、長引くデフレや国内で新設住宅の着工数が減少していることから、1990年代前半の36兆円をピークに現在では約半分の17兆円まで縮小しています。
日本国内の人口が減少している最中、中小規模の長期的な経営環境は厳しくなると予想されています。

建築資材卸業界は、地方の建設会社や工務店、リフォーム業者などを顧客基盤としている中小規模の会社が多い傾向があります。

その結果、大手企業による占有が進んでいないことで、多数の企業が顧客を獲得する為、大きくはない市場の中での競争を余儀なくされています。

 

国内市場の競争と抗えない規模の縮小により、一定の規模感がある会社であることがマストになりつつあります。

厳しい建築資材卸業界で生き残るために、営業エリアや取り扱っている商材の補完関係にある同業他社を買収し、規模の拡大と維持を目指している会社が増えています

激化する顧客争奪戦を繰り広げていく過程で、オーナーの引退など、とある理由で新しい経営者候補を探さなければならないタイミングがいつか来るかもしれません。
長期的な会社運営を見据えていくには、M&Aを利用した事業承継での会社編成が主流となるでしょう。

 

後継者がいない、そんなときは

2018年の中小企業白書によると、経営者の年齢が年々と高くなってきている現状があります。

1995年の中小企業を経営している人の年齢で最も多かったのが47歳に対し、2015年は66歳とおよそ20歳も増加しています。働くことにまだまだ意欲があるという方が居たり、どうしても働かなければならない事情がある方が居たりと、理由は様々です。

国内の中小企業は、経営者一人の手腕成り立っていることが多く、その経営者が事業に関わらなければ収益が落ち、最終的に廃業をせざるを得ないリスクがあるため、リタイア出来ないまま、いつの間にか働けなくなるというパターンが多く見られます。

実際に、新しい後継者を探そうとしたものの、従業員の中から優秀な後継者を選出しようとしたが、育成がままならない状態で引退を決めたことで、経営者に値する知識や能力を持っている人間がいない、といった例があります。また、昨今の著しい少子化等の影響、子供がいても事業に関心を示さないことで、後継者が現れずに会社を廃業せざるを得なかった例も少なくはありません。

 

どうにかして会社を残し、これまで培ってきた技術やノウハウを残したい。ましてや、一緒に汗水流してきた従業員とその家族の生活を守る為にも、職を失わせたくはない。

こんなときに、引退する経営者と残された従業員を救うために、事業承継を利用して後継者不足を解消することができます

M&Aの事業承継を利用すれば外部から後継者候補を探し出し、会社が保有する事業や経営権、ブランド、取引先を承継させることが可能です。事業承継の手続きもスムーズに行うことができ、廃業から逃れることが出来ます。

 

M&Aによる事業承継を選ぶメリット

事業を承継する際に、いくつかの選択肢があります。

親族に承継する「親族内承継」、親族以外の従業員または役員に承継する「親族外承継」など、経営者と身近な存在の人間に事業を継がせたい場合に、よく行われる事業承継です。

しかし、親族が身近におらず、従業員の中に経営者としての腕を持つ人間がいないなど、後継者探しに様残な弊害が生じます。

 

そこで推奨するのが、M&Aによる事業継承です。

他の事業継承には無い、M&Aの事業承継ならではのメリットを売却側と買収側の目線で見比べていきたいと思います。

 

売却側のメリット

事業の拡大が期待できる

ターゲットの奪い合いが激化している企業合戦の最中、国内市場で優位に立とうとするのはごく自然なことでしょう。

経営資源が豊富な大企業は、海外への進出により、新しいマネールートを拓くことが可能です。しかし、経営資源が乏しい中小企業は、社員のフットワークとチーム力だけでは対抗するフィールドさえ与えてはもらえません。

激しく常に発展途上を続ける市場では、中小企業が生き残ることは容易ではありません。

そこで、M&Aの事業継承を利用し大企業の組織の一部として傘下に入ることが出来れば、国内市場で息絶えることは無いでしょう

大企業の、幅広い販路や豊富な経営戦略を活かすことにより、事業の拡大で利益の維持と向上に結び付けることが出来ます。

 

廃業コストがかからない

会社を承継する人物が一向に現れずに、会社を廃業することになった場合、多額の費用と面倒な手続きに時間を費やすことになります

株主会社を例にしてご説明しますと、株主総会による特別会議、解散と清算人の登記、解散の公告、解散確定申告書の提出、財産の換価や負債の返済、最後に税務署で確定申告を行います。ここまでに最低2~3ヵ月は要し、以上の手続きで約7~10万円程度の費用が発生します。

さらに司法書士や税理士などの専門家に業務を依頼するとなると、加えて15~20万円程度の費用がかかります。

 

M&Aで事業を継承する場合、会社を廃業することはないので、オフィスやテナントの原状に戻す工事を行う必要がありません。

スムーズかつ廃業コストをかけないためにも、M&Aでの事業売却がおすすめです

 

事業のコア部分に集中できる

事業売却によって、会社内の不必要な事業を売却すると、売却資金が得られます

当然、これまでその事業に注ぎ込んでいた資金を、会社の主力事業に回すことが出来ます。

浮いて余るのは経営資金だけではなく、会社の核となる「人」という経営資源が生まれます。事業の売却により、資金面・経営資源が豊かに効率的に使えるようになり、M&A実施前よりも業務成績の向上が期待出来ます。

 

買収側のメリット

シナジー効果が期待できる

買収した企業に、自分の会社にはなかった営業のノウハウがあることで、シナジー効果つまり相乗効果をもたらします。

買収によるシナジー効果には、売上・コスト・研究開発・財務などがあり、主に市場内の同業者同士での企業の売買で多くの経営実績が期待出来ます。このことを「水平統合型のM&A」といわれ、自社運営では起こりえなかった、思わぬ事業革命が生じます。

中には、既存事業の業績の向上、既存の商品の売上アップなど、最初からシナジー効果を狙って、M&Aの企業買収を利用する会社があります

 

素早く新規事業を実施できる

近年、インターネットなどの急速な普及で、小さな子供から歳を召した男女問わず、否が応でも新しい情報が耳に入ってきます。そして、常に変動する市場のニーズに応えられない企業は、市場から弾き飛ばされてしまいます。

基本事業規模の成長の為、新規事業でシェアの拡大を目的とした多角化、自社の弱点を補正しようと、慎重に経営戦略を立てていくことと思われます。

しかし、商品開発に長い時間と多大なコストを費やした結果、完成した頃には、既にその商品は時代遅れになっている可能性があります。

 

著しく発展していく市場において、スピーディーな経営戦略の遂行が必須です。

M&Aを活用することにより、目的に合った事業や会社を短期間で買収することが出来るメリットがあります。

市場の中で優位な位置に居続けるためには、一から経営戦略を練っていては経営が立ち行かなくなります。他社を買収することで、技術力やノウハウ、特許など会社を構築する貴重な経営資源を、短いスパンで手に入れることが出来ます。

 

建築資材卸業の事業承継のポイント

長期的な経営と繁栄のためにも、M&Aを絡めた事業承継を利用して将来を見据えていく必要があります。

そこで、買収する側の企業がおさえておくべき、業者選びのポイントいくつかご紹介します。

 

地域のシェアがあるか

一般的に、M&Aで事業地域の拡大を目指す場合、買収する側は売却側が行っている事業エリアのシェアを重視します。企業を買収する際に、その地域で最もシェアの大きい企業とのM&Aを望みます。

理由は、顧客と営業拠点を効率的に獲得するためです。

そこまでシェアが大きくはない企業を買収したとしても、M&A実施前と経営業績がほとんど変わらない、もしくは下がってしまうなど、メリットが得られません。

事業地域でのシェアが大きい企業ほど、買収する側からの注目が集まりやすく、売却側は、高値で企業を売ることが出来ます。

 

長期的な取引がある

建築資材卸会社は、地域に密着している企業が多いのが特徴です。

そのエリアの工務店や建設会社などに自社の製品を卸していれば事業価値がかなり大きくなります。

事業価値とは、会社が実施している特定の事業や資産が、今後生み出す予定の価値の総和「企業価値」から、会社の手元に残っている資産運用株式や投資信託「非事業価値」を差し引いたものです。

会社の将来性を評価する事業価値が高ければ、収益性が見極められるので、「事業価値」は、M&Aの企業買収で重要なキーワードです。

 

買収した企業に、長期的な取引実績がある場合、独自のルートだけでは不足がちな商材を入手することが出来ます。

また、長期間固定客に商品を卸していることで、商材の充実だけでなく、信頼と実績があることが分かります。

 

建築資材の適切な在庫管理が行き届いているか

建築資材卸業界において、突然の需要や新たな顧客契約にいつでも対応出来るように、建築資材の在庫を多めに残しておくでしょう。

ここまではごく普通ですが、建築資材の在庫過多で、管理コストがかかってしまいます。倉庫内に建築資材が溢れ返っていると、人間が動けるスペースが狭くなり、稼働率の低下で経営業績が下がります。さらに、購入した商品を業者に卸すことが無かった場合、無駄な出費になり在庫として残ります。

在庫を管理する保管費、廃材となり廃却費用が発生するなど、在庫の管理コストは想像以上に会社に負担をかけます。

企業を買収する場合、なるべく経営状態の良い企業とのM&Aを望むでしょう。買収する企業の建築資材の在庫を見るだけでも、ガサツな運営をしているかどうか見極められる重要なポイントになります。

 

まとめ

市場規模が縮小している建築資材卸業界において、後継者不足が顕著に表れています。事業の売却を余儀なくされた経営者が抱えている不安は相当なものです。

しかし、いかなる理由で事業売却を決めたとしても、M&Aの事業承継リスクの低さを考えれば、そんな不安は無用です。

売却側は、事業の更なる発展を。買収側は、シナジー効果や新たな経営資源の獲得など、事業承継で様々なメリットが双方の企業に生じます。

建築資材卸業の事業売買で困ったとき、M&Aの事業継承を検討してみてはいかがでしょうか?

建築資材卸業の事業承継でお困りではないですか?
近年、少子高齢化により働き手不足が深刻化しており、国もこの現象を防ぐことはできていません。多くの企業が働き手不足に悩まされ、経営が回らずに廃業・倒産を余儀なくされるケースは珍しくはありません。
建築業界においても経営者の高齢化や働き手不足で、事業をたたまざるを得ない状況に直面しています。
廃業から逃れるために取るべき行動はただ一つ、M&Aの事業承継による会社経営の維持です。
事業承継とはどんなもので、メリットはあるのか?
実際に、建設資材卸業の事業継承を行う際の、買収側の注意点も併せてご紹介していきます。
Writer
太田 諭哉(おおた つぐや)
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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