2018年2月23日 金曜日

右腕は育てるものか招聘するものか(4)

Written by 太田 諭哉

先輩後輩

必要がなければ「右腕を置かない」という選択肢も

そこでBさんは改めて、右腕の必要性について考えてみたそうです。そもそも自社の業績は右肩上がり。絶好調です。それはBさんのワンマン経営によって実現したことなのですから、会社の現在の状況としては、Bさんのワンマン経営で正解なのです。会社としては「Bさんの右腕になる存在」はとくに求められていません。

右腕を切実に求めているのは、個人としてのBさんなのです。会社の現在の成長ステージにおける必要性とは別に、「自分がいま抱えている仕事と責任をわかちあってくれる人がいてくれたらいいなあ」と思うようになったわけです。「社長個人の成長軌道と会社の成長軌道がズレている」状態といえます。

では、どうしたらズレを解消できるでしょうか。選択肢は数多くあります。ひとつは、会社を売却すること。自分が抱えている仕事のうち、「右腕にまかせたい」と思った仕事を売却先の人材にゆだね、自分が個人として「本当にやりたい」と思った仕事だけに専念する方法です。ほかには、無理を承知のうえで右腕をいまつくることもできます。高額な報酬を用意して有能な人材を採用するとか、経験不足の社内メンバーを思い切って役員に抜てきすることです。「社長と会社とのズレ」はとりあえず解消できます。

「社長の想い」と「会社の要望」のズレを解消するには

ただし、会社の現在の成長ステージからすると「身のたけにあわない」方法です。また、そうやって右腕にすえた人材も、いずれ「自分個人の成長軌道と会社の成長軌道」とがズレる瞬間を迎えるはず。失敗に終わるリスクは高そうです。

一方、「会社がいま求めているもの」はBさんによるワンマン経営なのですから、「そちらにあわせる」と決意を固める方法もありえるでしょう。会社の成長のために、ワンマン経営を貫き、ハードワークをこなすのです。「社長のほうが、会社によりそう」という決断です。

いずれの方法を選ぶかはともかく、「社長と会社のズレ」を解消することが急務。とくに経営体制の問題で業績が悪くなっているわけでもないのに、「右腕がほしい」と思うようになったら、このようなズレが生じていないか、見つめなおしてみるべきでしょう。

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右腕は育てるものか招聘するものか
 社長は孤独な存在。創業から業績が上がるのに伴って、経営の重責を分かち合ってくれ、よき相談相手にもなってくれる右腕がいてくれたら──。そう願っておられる経営者の方は多いことでしょう。しかし、経営者が思い描いている「優秀な右腕」を確保できる例は、会社の規模に関わらず、非常に少ないのが実情です。成功している会社ではどうでしょうか。社内で人材を育成しているのか、または外部から招聘しているのか、それとも独自の解決法を見出したのか。経営者であれば誰もが持つ、自らの会社をも託せる「右腕」につての悩みを実例を参考に考えてみましょう。
Writer
太田 諭哉
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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