2018年2月21日 水曜日

右腕は育てるものか招聘するものか(2)

Written by 太田 諭哉

ビジネス書にはある「右腕のつくりかた」は外部からの招聘

Bさんはさっそく、経営に関する書籍を集め、「右腕のつくりかた」を学ぼうとしました。それらの書籍には「創業時から経営の責任をわかちあうメンバーがいるのでなければ、右腕は外部から招聘するのが望ましい」と書いてあります。社内のメンバーを右腕に育成しようとする場合、「社長との上下関係」があるのが問題になるからです。社長と右腕の関係は、対等であるぐらいがちょうどよいのです。

たとえば社長のやり方に誤りがあったとき、指摘するのは右腕の重要な役割。しかし、右腕にとって、社長がもともと自分の上司であった場合、苦言を呈するのは非常に難しくなります。また、社長が掲げたビジョンを実行・推進していく仕事を右腕がまかされるケースが多いのですが、その実行・推進のやり方に社長が口をはさんでしまうと、右腕は立つ瀬がありません。でも、社長からしたら「部下のやり方が間違っているのだから、口を出すのは当然」と考えてしまいがち。これでは、「経営の責任をわかちあう」という関係は築けないでしょう。

人材採用に苦労するベンチャー企業に「有能な右腕」は来るのか

その点、経営者や経営参謀をやった経験がある人材を外部から「三顧の礼」をもって招聘した場合、社長と右腕の関係は対等に近くなります。従って、外部からの招へいが望ましいわけです。とはいえ、そうした有能な人材を採用するのはなかなか難しいのが実情です。ただでさえ「海のモノとも山のモノともわからない」ベンチャー企業は人材採用に苦戦するもの。最近の人手不足もあって、よりその傾向は強まっています。

しかも、国内においては「経営者や経営参謀をやった経験のある人材」の層が、米国などと比べると圧倒的に薄い。シリコンバレーでは、スタートアップを立ち上げて失敗した後に別のスタートアップの経営参謀に就くといった事例がざらにあり、「経営の責任をわかちあえる人材」の層が厚いのです。国内では、数少ない有能な人材の争奪戦になってしまい、中小・ベンチャー企業にはとても勝ち目はありません。

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右腕は育てるものか招聘するものか
 社長は孤独な存在。創業から業績が上がるのに伴って、経営の重責を分かち合ってくれ、よき相談相手にもなってくれる右腕がいてくれたら──。そう願っておられる経営者の方は多いことでしょう。しかし、経営者が思い描いている「優秀な右腕」を確保できる例は、会社の規模に関わらず、非常に少ないのが実情です。成功している会社ではどうでしょうか。社内で人材を育成しているのか、または外部から招聘しているのか、それとも独自の解決法を見出したのか。経営者であれば誰もが持つ、自らの会社をも託せる「右腕」につての悩みを実例を参考に考えてみましょう。
Writer
太田 諭哉
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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