2019年11月26日 火曜日
【株式譲渡】明確な目標を定めて設計したM&A戦略
Written by 太田 諭哉
株式会社YUNARIの小宮一哲社長(当時)は、2005年に『つけめんTETSU』を創業され、3号店を出店されたタイミングで相談にいらっしゃいました。その際「会社を大きくしたいので、40歳までにIPOやM&Aに耐えられる会社づくりを支援してほしい」とかなり明確なご依頼をいただいたことを覚えています。
小宮社長は当時32歳。IPOの希望を叶えるためには、遅くとも37歳までに上場準備を完了していなければ間に合いません…。我々は、小宮社長のアツい想いに応えるべく、ご依頼から5年間、IPOに向けた組織づくりに注力してサポートしました。
紆余曲折を経験しながらも、組織の強化は進みましたが「40歳までに」という明確な期限と計画の進捗を熟考した結果、計画の途中でIPOを断念し、M&A戦略に転換しました。断念、と書くとネガティブな選択をしたように伝わってしまうかもしれませんが、そうではありません。
実は、小宮社長からはIPOの希望と同時に「15億円なら売却してもよい」という明確な譲渡希望額をお聞きしていました。会社の譲渡価格は償却前利益の5倍が相場となりますから、40歳という設定期限に間に合うよう、3億円の利益を確保できる事業体制を構築していくM&A戦略を立案していったのです。その後、株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングスさんとのM&Aが無事成約し、小宮社長は希望通りの条件で株式を譲渡することができました。
自身のエグジットについて、具体的な目標や期限、金額を明確に設定できていることは、とても重要なことなのです。
DATA
運営会社 | 株式会社YUNARI |
主要業態 | 『 つけめんTETSU 』 |
M&Aの目的 | 事業拡大 |
M&A手法 | 株式譲渡 |
譲渡先 | 株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス |
譲渡希望価格 | 15億円 |
譲渡金額 | 15億円(譲渡希望価額達成) |