2019年11月27日 水曜日

【事業買収】成長プランにマッチする事業を探していた

Written by 土橋 裕太 (Yuta Dobashi)

成約事例:丸井織物株式会社

繊維のチカラで、ファッションをインスパイアする。最先端の繊維で、様々な産業にイノベーションの種を提供する丸井織物株式会社。繊維会社でありながら、その枠を自ら飛び出し、新たなビジネスを生み出しながらさらなる成長を目指す『カクシン センイ カンパニー』は、2015年から「モノづくりとITの融合」を掲げ、IT事業にも参入。2018年にはオリジナル商品制作サービス「TMIX」運営の 株式会社 spice life(現:オリジナルラボ株式会社)を子会社化するなど、積極的にM&Aを行っている。

『成長プランにマッチする事業を探していた』

ーー 今回の事業買収に至るまでの経緯を教えていただけますか。

宮本 弊社では、4年前の2015年に、2021年に向けてグループの売上げ200億を達成するための『革新200』というプランをたてました。今までは社名の通り織物会社だったんですけれども「モノづくりとITを掛け合わせて新しい事業を作ろう」という基本コンセプトのもと、これまでいろいろなメディアを作ってきました。

 その中でポイントとしてきたのが「オンデマンド」と「カスタマイズ」という2つのキーワードだったんです。元々は「プリンタブル」というキーワードでオリジナルのTシャツを作るサービスなどを作ってきましたが、そろそろ、同じようなオンデマンで、お客様の好きなものをオーダーメイドで作るっていくところに進出しないといけないと考えていました。

ーー その中で、なぜミチネイルさんを選ばれたのでしょうか?

宮本 先ほど挙げたキーワードにマッチする事業を探していたタイミングで、今回のお話をいただきました。その中でなぜ、ミチネイルさんだったのか。当然、業績がすごく上がっていることと、これからも間違いなく上がっていくだろうという期待値、といった評価はあるんですけど、決定には中崎さんの人柄というのが大きかったです。

もちろん、今回は事業買収というカタチですので、ずっと一緒にやっていくというわけではないんですけど、今後のお付き合いもあると思っているので、中崎さんの真面目な人間性や誠実さというのはとても大事なポイントでした。

成約事例:成約式

『今までのやり方を踏襲しながら得意分野でもあるD2Cを強化』

ーー 今後、ミチネイルをどのように展開されていく予定ですか?

宮本 大きくは「ネイルチップの市場拡大」「即日化」「自分で作れる商品の開発」「ネイリストの派遣」という4つの戦略を立ています。まずは、今までのやり方を踏襲していきながら、サイトへのアクセスアップと商品の多展開を狙っていく予定です。ネイルチップのデザインを増やしていきながら、ネイルシールなど新しい商品にもチャレンジしたいと思っています。

そして、D2CのDの部分の強化。ネイルチップの在庫を持つことで、少しでも早くお客様に商品を届けられる体制を作り、売り上げをブーストさせたいと考えています。

うちはものづくり企業なので、ユーザーさんが画像入れれば自動でネイルチップが作れるような仕組みも作りたいと考えています。すでに、自分でデザインしてTシャツを作れるサービスがあるので、そのツールと掛け合わせて、ユーザーさんが自分でデザインしたネイルをうちの工場で作って発送できるようにしていきたいですね。

もうひとつ取り組んでみたいのは、ネイリスト派遣。ネイルチップ事業を発展させて、家にネイリストが来てやってくれる、CtoCのマッチングの仕組みを考えたいと思います。これらのアイデアも、ミチネイルさんの元々のポテンシャルであったり、今まで誠実にやられてきたからこそできること。これがなければ、我々もこの事業をやれないし、やっていないです。中崎さんには、業界のことを教えていただきながら、これからも関係を深めていければと思ってます。

DATA

運営会社 丸井織物株式会社
主要業態 合繊織物及び
 合繊産業資材織物製造
M&Aの目的 事業拡大
M&A手法 事業譲渡
譲渡元 株式会社ミチ
譲渡希望価格 非公表
取引総額 非公表

 

成約事例:宮本 智行社長

プロフィール

宮本 智行 ( Tomoyuki Miyamoto )

創業80年の老舗・丸井織物株式会社の取締役として丸井グループのビジョン『革新200』を牽引。モノづくりとITを融合させ、製品革信、技術革進、業態革新という”3つのカクシン”で、イノベーティヴテキスタイルカンパニーを目指している。糸・織・染めに分かれている業態を、ITのプラットフォームで結び付け、単に一気通貫にモノづくりをするのではなく、新しいビジネスモデルを構築し、繊維産業の業態を革新し、売上高200億円を目指している。2018年にはオリジナル商品制作/EC販売するサービス「TMIX」運営の 株式会社 spice life(現:オリジナルラボ株式会社)を子会社化するなど、積極的にM&Aを行っている。

 

コンサルタントの目
【条件だけのマッチングでは未来は描けない】

買い手目線でM&Aを考えるとき、対象として魅力的に映るのはどういった会社や事業でしょうか。反射的に「収益性」と頭に浮かんだ経営者の方は少し注意が必要かもしれません。

売り手が戦略としてM&Aや事業譲渡を選択するように、当然、買い手も事業規模の拡大やブランドポートフォリオ戦略としてM&Aを実施します。売上の拡大に「収益性」を考えることは大切ですが、M&Aにおいては、自社の戦略上に買収する事業があるかをしっかり見極めることの方が重要です。

「シナジー効果」という言葉がよく使われますが、類似の事業を並列で展開していくような水平方向のメリットと商流のレイヤーを押さえていくことによる垂直方向のメリット、M&Aが自社にどのようなメリットをもたらすのかを冷静に考えなければ、成長戦略としてのM&Aは機能しません(M&A後の成長が見込めません)。

また、忘れてならないのは、M&Aは単なる条件のマッチングではなく、相手のある交渉だということです。
「企業が他社の事業や会社そのものを買収する」という言葉にネガティブなイメージを持つ方は、まだまだ、たくさんいらっしゃいます。会社や事業を譲渡しようと決断した経営者さんであってもそれは同じです。もちろん、不採算事業を整理するという決断の場合もありますが、自分で育てた大切な事業ですから、信頼して任せられる相手に引き継ぎたいと思うのは自然なことです。
私自身も複数のM&Aを経験してきているので、その気持ちはよくわかります。

売渡企業は手続きの過程で企業評価を数値化しますが、その評価は、売上や資産はもちろん、事業の成長性であったり、数字に表れにくいバリューを含んだものになります。なので、必然的にしっかり戦略を練られている買受企業とM&Aのメリットを精査できていない買受企業での評価は大きく差が出ます。

当社がお客様に事業や企業をご紹介するときに大切にしているのは、その会社が目指している戦略上にあるどうかということです。今回、丸井織物株式会社さんの大きな戦略に沿う、水平・垂直のメリットがバランスよく整った、まさに『+(プラス)』の効果が期待できる事業として、株式会社ミチさんの『ミチネイル』事業をご紹介できました。両社に対して、売買の接点ではなく『未来へ線でつながる関係』を築かせていただけたことはとてもうれしく思っています。
Writer
土橋 裕太 (Yuta Dobashi)
2000年8月に株式会社ゼイヴェルへ入社(のちの株式会社ブランディング)、iモード黎明期に女性向けファッション/エンターテイメントサイト、girlswalker.comの初代プロデューサーを務め、東京ガールズコレクションの開催に至った実績を持つ。その後、株式会社Style1の代表取締役として起業、2006年7月には三井物産、住友商事など数社を株主に迎え事業拡大する。2008年にはCGM型育児支援サイト「ママスタジアム」を株式会社インタースペースに事業売却するなど、企業売買を繰り返して同社も売却した。また、2012年10月よりFacebookで500万のファンを持いる株式会社サティスファクションギャランティードジャパンの代表取締役に就任、アパレルビジネスからブランドビジネスへの転換をして、日本国内に「HAIR SALON satisfaction guaranteed」、台湾では「ESTHETICS satisfaction guaranteed」を立ち上げた。
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