2018年2月19日 月曜日
「本当の社長の仕事」を知りたい(4)
Written by 太田 諭哉
社長個人の想いと会社に求められる役割のズレをどう解消するか
どちらのケースにせよ、ズレを解消しなければ、社長の悩みは解消されません。自らの胸のうちと、会社のトップとしていま求められる役割とのズレを、冷静に見つめてみることが第一歩です。
そのズレをどうやって解消していくかは、あなたしだい。「いま求められている役割」をこなすことが、「自分とっていちばんやりがいのある仕事であるはずだ」と自らにいい聞かせて、やりきるのもアリです。やりきるだけの能力があることは、現在、会社が業績好調だということで証明されているのですから。あとは社長の心の整理だけです。
また、少々強引ですが、社長個人の成長軌道に会社の成長をあわせてしまうという手もありえます。Aさんの例で、Aさんが「現場の仕事をしていたい」のであれば、1店舗だけに企業規模を縮小してしまうわけです。
もし、Aさんが「事業アイデアを立案し続けたい」という志向だった場合には、企業売却も選択肢のひとつでしょう。いまのタイ料理店事業を売却し、そこで得た資金で別の事業アイデアをカタチにすることに挑戦していくわけです。
いずれにせよ、「社長と会社のズレ」をどうやって解消していくかの方法は、社長自身が自由に選べます。だれに命令されるでもなく。それが社長というポジションの特権なのですから。