2018年2月18日 日曜日

「本当の社長の仕事」を知りたい(3)

Written by 太田 諭哉

タイ旅行

創業フェーズを過ぎ、事業が軌道に乗った頃に生まれる悩み

Aさんのように、業績好調の会社の社長ほど「自分は“社長の仕事”をしているのか」と悩むケースが多いのです。業績が不振であれば、そのこと自体が悩みになり、自分の業務についてあれこれ悩んでいるひまはありませんし。また、「業績好調の状態にもっていくまで」は無我夢中で仕事に取り組むので、悩んでいられないからです。創業フェーズを過ぎて、事業が軌道に乗ったあたりで、悩み始めるケースが多いのです。

悩みの根本的な原因は、「社長個人と会社の成長軌道のズレ」が生じていることだと考えられます。会社が創業期から拡大期へとフェーズを移したのにともない、その会社のトップに求められる役割も移り変わっていきます。その「会社の成長軌道」にあわせて、求められている役割をこなすように「自分の仕事」を変えていけるのであれば、なにも問題は起きません。でも、その「新しい役割」が自分の得手ではない分野だったり、「やりたい」と心から思えない仕事だったりすると、Aさんのように、悩みが生じるわけです。

やりたい仕事とやらなければならない仕事

不得意な仕事や、やりたくない仕事を強制的にやらされる。そうであれば、社長という「だれにも命令されない」ポジションについた意味がないではないか──。そんな想いが、「本当の“社長の仕事”をしているのか」という疑問の背景にあるのです。

Aさんの場合、「社長個人と会社の成長軌道のズレ」が生じている背景は、2つのパターンが考えられます。ひとつは、「現場の仕事をしていたい」とAさんが志向しているパターン。たまたまAさんの頭のなかにひらめいた事業アイデアが市場に歓迎されるものであり、Aさん自身がやりたいかやりたくないかは別として、そのアイデアを事業化していく能力があっただけのこと。「本当にAさんがやりたい仕事」は厨房に立って料理をする仕事だという可能性があります。本当は現場の仕事をやっていたいのに、いまの会社の成長ステージで「社長に求められる役割」は出店戦略の立案。そのズレによって悩んでいることがありえます。

もうひとつのパターンは、「新しい事業を立ちあげる」ことにAさんが、いちばんやりがいを感じているケース。ひとつめの事業アイデアである「タイ料理店」を軌道に乗せたいま、ふたつめ、みっつめの事業アイデアに取り組みたい。1店舗目をつくったときの「失敗するかもしれないけど、将来の夢に向かって没頭していた」あの感覚。それをもう一度、味わいたい。Aさんは潜在的にそう思っているのに、いま「社長に求められる役割」は、ひとつめの事業アイデアをさらに発展させていくための仕事。そのズレによって悩んでいる、というわけです。

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「本当の社長の仕事」を知りたい
 心血を注いで起業し、事業がなんとか軌道に乗って業績は好調。経営者は会社の成長にすべてを捧げてとにかく全力で走り続けます。しかし、自らの事業やサービスが社会に認められる充実感とともに、ふと「社長の仕事ってなんだろう?」という疑問が浮かぶ瞬間が。。。そんな体験をしたことのある経営者の方は多いのではないでしょうか。組織の頂点に立つ経営者は「どんな仕事をするか」を自分で決められるはずですが、会社の成長に伴って、仕事と同じぐらい株主や取引先、金融機関といったステークホルダーへの配慮が必要になる場面が増えてきます。やりたい仕事とやるべき仕事のバランスを自らの意思だけで調整することが難しくなるのです。「本当の社長の仕事」とは何なのか、会社の成長に合わせて考えてみたいと思います。
Writer
太田 諭哉
1975年、埼玉県生まれ。1998年に早稲田大学理工学部を卒業し、安田信託銀行株式会社(現・みずほ信託銀行株式会社)に入行。2001年に公認会計士2次試験に合格し、監査法人トーマツに入社。おもに株式公開支援、証券取引法監査、商法監査の経験を経て、2003年に有限会社スパイラル・エデュケーション(現・株式会社スパイラル・アンド・カンパニー)を設立し代表取締役社長に就任。
「未来を創造し続ける会計事務所」のリーダーとしてベンチャー企業・成長企業の支援を積極的に行っている。
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